今回のボール試打レビューは、2023年にモデルチェンジイヤーを迎え、シリーズ第8世代目となったスリクソン「Z-STAR XV」について!
このボールの使用プロとして真っ先に頭に浮かぶのは、やはり松山英樹選手ですよね。
スリクソンの看板選手であり、モデルチェンジはありつつもこのXVシリーズを長らく使用しています。今回のモデルチェンジでも、おそらくは松山選手が使用することを前提に開発がすすめられたと思われます。
今作のZ-STARシリーズでは以下の3モデルを展開。
・Z-STAR:ソフトな打感とショートゲームでのスピン量重視
・Z-STAR XV:ドライバーの飛距離重視
・Z-STAR ◆(ダイヤモンド):アイアンショットの際のスピン量重視
本稿で試打するZ-STAR XVは飛距離性能に重きを置いたモデルです。先日レビューしたZ-STARとの違いについても触れていきたいと思いますので、是非最後までお付き合いください。
まずはZ-STAR XVの構造や特性についてざっとご紹介しましょう。
Z-STARは3ピース、ウレタンカバーを採用するツアーモデルのスピン系ボールです。
前作は4ピース構造でしたが、今作では3ピース構造へ変更。Z-STAR同様、コアには今回の目玉テクノロジーである「ファストレイヤー D.G.コア」が採用されています。
「ファストレイヤー D.G.コア」はコアの“硬度変化”に工夫があります。
最近のトレンドである「内柔外剛」タイプのコアなのですが、硬度変化の度合いを部位ごとに変えているのが最大の特徴です。
中心部分からコアの2/3付近までは硬度変化の度合いを大きく、表面付近ではこの度合いを小さくしており、この構造がドライバーショットでの高初速とアイアンショット・アプローチショットでのスピン量向上につながっているとのこと。
これらの機能は従来2層コアを使用することで実現してきたわけですが、これを単層コアで実現することで、フィーリングも向上しているようです。
※ダンロップスポーツ 公式HPより画像引用(最終閲覧日 2023年9月8日)
https://sports.dunlop.co.jp/golf/srixon/zstar2023/
また、スピン系ボール(他社製品含む)のなかでも最も薄いウレタンカバーと配合を一新した「高摩擦 Spin Skin+ コーティング」により、更にスピン性能を向上させているというのがメーカーさんのPRポイントとなっております。
では早速!実際にラウンドで試打してみたいと思います。
・ドライバー
まず打ってみて初めに感じたこと、
「ん?XVなのに柔らかくない?」
打感がかなり柔らかく感じたのです。
前作までの“パキッ”とした打感から非常にソフトなフィーリングになっており、フェースに乗っている時間も長く感じました。
早速「ファストレイヤー D.G.コア」の効果を感じることができてビックリ(笑)
そしてXVらしく初速も速い!風にも強い球を打つことができます。
この風への強さはケプカ選手がスリクソンのボールを選んだ最大のポイントでもあるので、いわゆる「折り紙付き」ってやつですね。
弾道の高さは飛距離重視系としてはそこまで高くなく、中高弾道といったところ。「前に前に」進んでいく感じで、ランもよく出ました。
・アイアン
アイアンもドライバーと同様に風に強く、直進性の高い球質。
スピンと高さのバランスのとれた中高弾道で、決して高い球筋ではないもののグリーンにしっかりと止まります。
これは筆者の予想でしかありませんが、このXVは松山選手が使うことを前提に、アイアンでのスピン量を少し抑えめにしているのでは…と感じました。
松山選手はPGAツアーのなかでもトップクラスの球の高さを出せる選手です。あまりスピンを多くしてしまうとグリーンに着弾したときにスピンパックし過ぎ、コントロールしづらくなります。
「ボールの高さ」でグリーンキャッチできる松山選手にとって、扱い易いスピン量になるように設計されているように思えましたね。
・ショートゲーム・パター
ウェッジショットについてですが、打音はしっかりと聞こえるものの打感はとてもソフトです。
打ち出し角は少し高めですが、スピンも効いており、「ゆっくりと」ボールが飛んでいくイメージ。個人的には「ちょっと飛ばないなー」と感じましたが、このあたりは“慣れ”ですかね。
また、パターに関しても打音は「パチッ」としっかりめ。松山選手はパターで打音がはっきりと聞こえるボールが好みですので、ここにも「松山仕様」の一面が感じられます。
とはいえ、初速が早すぎるという感覚はゼロ。フェースへの乗り感も感じられるので、タッチも合わせやすい印象でした。
今回はスリクソン「Z-STAR XV」について試打レビューを書いてみましたがいかがでしたでしょうか。
ざっとまとめると以下の様なボールでした。
・打感は、すべてのクラブを通して前作よりソフトな打感
・ロングゲームでは中高弾道・低スピンが得やすい
・アイアンショットはスピンと高さの両方でグリーンに止める
・アプローチ・パターの「打音」はしっかりめ
個人的に最も特徴的に感じたのは「打感」の部分。
飛距離重視系のスピン系ボールとしては、かなり柔らかい部類に入るのではないかと思いました。
[飛距離重視でいきたいけど、打感は柔らかくあってほしい」という方にはとてもおススメです!
興味のある方は是非一度試してみてください!
【商品リンク】
https://sports.dunlop.co.jp/golf/products/ball/
文:ライター Quattro