みなさんこんにちは、ライターのQuattroです。
今回の記事は「グリップ交換」について。ご自分でグリップ交換を行う際の手順について解説してみたいと思います。
昨今、世の中全体の物価上昇に歯止めがかからず、ゴルフ用品もその例外ではありません。
先日、ネットで新しいグリップを買おうと某有名ECサイトを徘徊していたらビックリ。
グリップの価格が数年前の1.5倍以上になっているではないですか。1,100円で買えたグリップが1,700円に…。1本交換するだけならそこまでのダメージではないかもしれませんが、パター以外の13本すべてのグリップを交換するとなると、なかなか大きな金額差です。
そこでグリップ交換を自分でできるようになれば、ここからプラスで掛かってくる“交換工賃”を節約することができます。
また、グリップ交換をご自身で行うメリットは経済的なものだけではありません。ロゴの向きや微妙な太さの調整など、完全に自分の好みにカスタマイズしながらグリップを挿すことが可能ですし、何よりもその作業が楽しい!!
初めのうちは少し作業に手間取ることもあるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単なものです。
ぜひこの記事を参考にして頂き、「初めてのグリップ交換」に挑戦してみてほしいと思います!
ご自身でグリップ交換を行うにあたり必要なものは下記の通り。
①新しいグリップ
②カッター(できれば専用のものが良い)
③溶剤(ホワイトガソリン・ベンジンなども可)
④両面テープ
⑤タオル(溶剤拭き取り用)
⑥マスキングテープ
②~④はネットで「ゴルフ グリップ交換キット」と検索すればセットになって売っていますので、それを購入するもよし。
カッターは安全性の観点から専用のものを購入することをオススメしますが、両面テープや溶剤はゴルフ専用のものでなくてもオッケー。
溶剤の代表格はホワイトガソリンやベンジンですが、揮発性が高いため作業にスピーディーさが求められます。慣れないうちはゴルフ用に売られている揮発性が少し低めのものを使うといいかもしれませんね。
まずグリップ交換をする前に、というより、新しいグリップを購入する前にすべきことがあります。
それは「現在使っているグリップの重量を測る」ということです。
グリップの型番やメーカーのホームページを見れば、グリップ重量について記載してある場合がほとんどですので、そちらを参照してください。どうしてもわからない場合は、新しいグリップを購入する前に現在使用中のグリップを取り外し、重さを測ったほうがよいでしょう。
現在市販されているグリップには、軽いもので30グラム台のものから、重いもので80グラム台のものまで存在します。
元は30グラム台のグリップがついていたのに、いきなり80グラム台のグリップを付けてしまうと、クラブとして振った時のフィーリングはかなり変わってしまうのは簡単に想像がつきますよね。
(上記の例は極端ですが、実際10グラムでも違うとかなりフィーリングが変わると思います)
本稿の趣旨とはズレるため詳細については割愛しますが、一般的にグリップが重くなればなるほどヘッドは軽く感じるようになります(逆も然り)。
これらを理解し、意図的にグリップ重量の変更を行うのであればそれは全く問題ありませんが、知らずしてやってしまうと大惨事……。
現在のクラブのフィーリングを変えたくなければ、グリップ重量はあまり変わらないものをチョイスするのが無難です。
前置きが長くなりましたが、ここから手順の説明をしていきます。
①グリップの挿入位置に目安をつける
新しいグリップがシャフトのどの位置までくるか、あらかじめ目安をつけておきます。ゴム製のグリップはある程度伸び縮みしますので、挿入の際に長さにズレが生じやすいです。
このズレをなるべく少なくするため、あらかじめグリップがシャフトのどの辺までくるのか目安をつけておくと安心して作業に取り掛かれます。
同じメーカー・同じブランドのグリップに交換する際は、下の写真のようにマスキングテープを貼っておくとわかりやすいです。
②古いグリップを取り外す
専用カッターを使用して古いグリップをカットして取り外します。
この時、自分の指を切らないこととシャフトを傷つけないことの2点に注意。
刃が進む先に自分の手を置かず、尚且つシャフトになるべくカッターの刃や“みね”が当たらないよう、グリップを引っ張り上げながらカットしていくのがコツです。
ある程度まで切れ目を入れたら手で引き裂いて、古いグリップを完全に取り外します。
③古い両面テープを剥がす
グリップを外すと古い両面テープが露出しますので、次にこれを剝がします。正直言ってこの作業が一番面倒くさいかもしれません(笑)
剝がしづらい場合はドライヤーなどで少し温めると剥がしやすくなります。
ただ、カーボンシャフトの場合は熱に弱いので、温めすぎには要注意です。
両面テープを剥がしたら溶剤を含ませたタオルでシャフトをしっかりと拭き上げます。
実はこの作業がめちゃめちゃ大事!
これをするのとしないのでは、新しく貼る両面テープの接着力が大きく変わってきます。
④新しい両面テープを貼る
次に新しい両面テープを貼ります。
貼り方は大きく分けて「縦貼り」と「螺旋貼り」の2種類。
今回は簡単な縦貼りを採用。両面テープをグリップを挿す想定の位置にグルっと貼るだけ。目印として貼ったマスキングテープよりも約1cm短めにテープを貼ります。
この時、テープがヨレないように丁寧に隙間なく貼っていくようにしましょう。
どちらの貼り方にしても、必ず守らなければいけないポイントはシャフトエンドの穴をしっかりとふさぐことです。
ここが開いてしまっていると、シャフトのなかに水やゴミが入り込んでしまい、劣化を早める原因となってしまいますので要注意。
⑤新しいグリップを挿す
さあ、いよいよグリップ挿入です。
両面テープの台紙を剥がし、テープ両面とグリップ内側に溶剤を吹きかけます。この時、溶剤の量はケチらずにたっぷりと吹きかけるのがコツ!!
グリップ内の余った溶剤をテープにかけ、グリップエンドまで一気にシャフトを挿しこみます。
最後までしっかり入っているか確認するため、グリップエンド側を地面に押し付けて挿入工程は終了。
この工程は本当にスピード勝負です。溶剤が乾かないうちに素早く作業をしていかないと、グリップが途中で止まってしまう…なんていう最悪の事態が訪れます。
グリップエンドまでしっかりと挿し込めていることが確認出来たらあとは微調整。フェース面に対するロゴの向きなどを自分好みに合わせます。最後に溶剤を染み込ませたタオルではみ出た両面テープの粘着剤などを綺麗に拭き取り、しばらく乾燥させます。
(マスキングテープも剥がしておきましょう)
使う溶剤によって必要な乾燥時間は異なりますが、どんなに乾きの遅い溶剤でも丸一日乾燥させておけば問題なく使えます。
本稿では「グリップ交換の手順」について解説してみましたがいかがでしたでしょうか。
一番のポイントは「溶剤をケチらない」と「グリップは一気に挿す」という部分でございます。ここさえクリアできれば、グリップ交換はゴルフクラブの“クラフト作業”のなかでは一番取り掛かりやすいものです。
自分が使うクラブですから、自分で作業した工程があると更に愛着が湧きますよね。
ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください!
文:ライター Quattro