2023年もついに春到来、最近は気温も上がり、日照時間も伸びてゴルフがしやすくなりました。ところで皆さんはゴルフボールはどうやって選んでいますか?今回はあの有名ゴルフメーカー「Titleist(タイトリスト)」の主力ブランドであるPro V1とV1xというボールがニューモデルになったので打ち比べをしてみました。
“タイトリスト”といえばなんとなくPGAツアーの選手達がウェアやクラブを使っているのをよく目にしますね。でも実は一番の主力はボールであり、長年「#1Ball in Golf」の地位を維持しています。なぜこれほどまでに信頼されるのか?その裏にはメーカーが積み重ねてきた企業努力があるのです。
そもそもタイトリスト(アクシネット社)はボールの開発からスタートした会社です。ゴムを形成する会社のオーナーであったフィル・ヤング氏が自分が打ったボールの転がりに不満を持ち、X線解析したところ芯が真ん中にないことを突き止めました。それからタイトリストは芯がボールの中心に来るようにするだけでなく、様々な特許を取り唯一無二のボールメーカーとなりました。もちろん、その途中には他メーカーとの闘いもあったのですが買収等を繰り返すことで特許技術を結集することに成功しました。こうした背景があって、今もなお多くのプロ・アマチュアゴルファーの信頼を勝ち取っているわけです。
今回はアウトドアで短いアプローチと、インドアでアイアンとドライバーでのショット比較を行ってみました。短いアプローチについては結果はほぼ同じになりましたが、Pro V1の方が若干打音が低くインパクト時にフェースにくっついている時間が長いように感じました。でもそれ以外にデータ的な大差はありませんでした。
次にショットデータです。こちらは外苑前駅から徒歩2分の所にあるインドアゴルフスタジオ「Bull Golf」さんで計測したものです。意外だったのがPro V1の方が飛んだという点です。
下に掲載しているデータはそれぞれ20球前後打って例外的なショットやミスを省いた10球の平均値ですので、かなり厳選したデータとなります。
このデータを見る限りではV1の方が弾力があって、アイアンなどのヘッドスピードで打っても反発してボールスピードが出ていることが考えられます。
逆に、V1xは若干固くて潰しきれていないことが考えられます。例えばドライバーで打った際のデータのうち、ボールスピードとミート率を見るとV1とV1xでそれぞれほぼ同じなのにスピン量だけ異なるのが分かります。ボールは通常ヒットした点とボールの重心が近いほどスピンが減ります。ドライバーと言えどロフトがありますので、打点とボールの芯がずれるのは当然なのですがボールがつぶれていることでそれが近づくのです。
Pro V1とV1xでは大きくパフォーマンスは変わらないというのが実感値です。
ただ、ドライバーでの飛距離性能についてはV1xの方が可能性を秘めていて、平均的にヘッドスピードが45m/s以上出せる方であればしっかりボールをつぶして初速を出していけるのではないかと思います。
なかなかプロモデルのボールを新品で使うのは勇気がいるかもしれませんが、私もよく学生の頃は先輩に「ちゃんとボールは買って使え!ロストは使うな」と言われたものです。
やっぱり無くしたくないという気持ちであったり、ボールの性能への信頼が結果に繋がったりするからだと思います。ということで是非一度Pro V1、V1xを使ってみてはいかがでしょうか?
皆様のゴルフが一皮剥けるかもしれませんよっ!
文:ライター アッキー永井