日本人ゴルフコース設計家、上田治(うえだおさむ)氏をご存じでしょうか。上田治氏は、井上誠一氏と並び称されるゴルフコース設計家で、東の井上誠一、西の上田治といわれ、「柔の井上」、「剛の上田」とも言われています。今回は、上田治氏を掘り下げていきます。
上田治氏設計のコース
上田治氏が手掛けたコースには、
門司ゴルフ倶楽部(福岡)
古賀ゴルフ・クラブ(福岡)
松山ゴルフ倶楽部(愛媛県)
よみうりカントリークラブ(兵庫)
小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫)
奈良カントリークラブ(奈良)
岐阜関カントリー倶楽部(岐阜)
新千葉カントリー倶楽部(千葉)
茨城ゴルフ倶楽部(茨城)
などがあります。もちろん、ここに記載した以外にも多くのゴルフコースを設計しています。聞いたことのあるコース、ラウンドしたことのあるコースはあったでしょうか。きっと、1つくらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。なぜなら、日本オープンや、日本女子オープンなどのナショナルオープン、男子プロゴルフトーナメント、女子プロゴルフトーナメントが開催されているコースでもあるからです。このコースの中で、私は「古賀ゴルフ・クラブ」がピンときます。昨年2019年度の日本オープンも古賀ゴルフ・クラブで開催されましたが、私は2008年の日本オープンがとても印象に残っています。優勝者は、片山晋呉プロ。優勝して永久シード権もこの時に獲得。セカンドの距離が残ったとしても、フェアウェイにボールを置くことが大切という理由で4日間ドライバーを抜いて戦い優勝をしたのです。今は、パワーゲームでとにかく飛ぶプレーヤーが有利のゴルフともいわれますが、飛距離ではなく、技術の高さが勝った試合だったと思います。この試合を演出できたのは、上田治氏のコース設計であったからでしょう。
上田治氏設計のコースの特徴
「柔の井上、剛の上田」
井上誠一氏は、もともとの地形を活かし、曲線美を大切に設計することから「柔の井上」といわれ、上田氏も井上氏と同様にもともとの地形も活かすこともあれば、大胆に地形を改造しダイナミックな設計をすることもありました。このことから「剛の上田」と表現されるようになりました。関東と関西で、地形が異なり、関西の方が地形の高低差があるため、その高低差を利用したダイナミックな作りが上田治氏の特徴だともいわれています。
上田氏が設計した北海道の札樽ゴルフ倶楽部
北海道の札樽(さっそん)ゴルフ倶楽部の写真です。奥に見える海がとても美しいですね。この写真は7年前のもので、今行けば、木々が成長し、また違った景観になっているかもしれません。時間の経過と比例するように、コースも成長します。この写真からもわかるように、札樽ゴルフ倶楽部もダイナミックなコースです。「アップダウンの多いコースじゃないか。」と思われるかもしれませんが、ティイングエリアからはグリーンが見えます。いい場所に打ったのに、ボールがなくなるということはありません。ティショットの落とし場所が見えず、セカンド地点にいったらボールが見つからないというホール設計はないので、上田治氏設計のゴルフコースは、いいショットを打てば当然有利になるし、ミスをしたらそれなりのペナルティを負うことになります。誰にもフェアなゴルフコースなのです。そして、プレーだけでなく、景色も存分に楽しめるようになっています。札樽ゴルフ倶楽部も是非行ってほしいゴルフコースの一つです。
上田治氏の手掛けたコースへ行ってみよう!
私は行ったこことがありませんが、門司ゴルフ倶楽部に行ってみたいです。
理由は上田治氏設計の代表コースとして、挙げられていることが多いからです。門司ゴルフ倶楽部は、ティイングエリアに立つと、グリーンまで見渡せるホールが多いそうです。しかし、グリーンは砲台でグリーンの周りはアリソンバンカーに囲まれているといいます。そして、各ホールをセパレートしている松がプレッシャーにもなり、球を曲げれば、レイアップせざるをえない。ゴルフは思った場所に思った距離でボールを運ぶものです。その醍醐味を存分に味わえる気がするコースのようです。飛ばしたプレーヤーが有利のゴルフ場ではなく、高い技術を試されるゴルフコースなのです。門司ゴルフ倶楽部もゴルファーなら一度はラウンドするべきコースなのではないでしょうか。
門司ゴルフ倶楽部HPより引用
昭和9年の開場時からあるホール17番ホール(旧8番)