外で楽しむスポーツであるゴルフにとって、夏の暑さは大敵です。強い日差しや高い気温のせいで、やけどに近い日焼けをしたり、熱中症になったりすると、ゴルフだけでなく日常生活や仕事にも支障をきたしてしまいます。そこでおすすめしたいのが、長袖なのに涼しく感じられる吸汗速乾インナーの利用です。
今回は、夏のコースラウンドで着用してほしい吸汗速乾インナーの仕組みやメリット、注意点について解説します。
機能性の高さから人気のある吸汗速乾インナーですが、「どうして汗をかいてもすぐ乾くのか」という仕組みを知らない人は多いです。実は、一般的な吸汗速乾インナーがすぐに乾く理由は、「ポリエステル」という化学繊維を使っているため。
綿(コットン)など吸水性の高い素材は、吸い込んだ水分を逃さないので、染み込んだ汗がなかなか乾きません。しかし、綿と違ってポリエステルにはほとんど吸水性がないため、汗をかいても水分がそのまま外に流れて、気温や体温で蒸発します。
ただ、ポリエステル100%だと、かいた汗がそのまま指先や下着の方へ流れてしまうので、不快感を覚えます。そこで、繊維メーカーや衣料品メーカーは、ポリエステルの糸と糸の間に水分を吸着できる繊維の編み方を生み出しました。そのおかげで、吸汗速乾インナーは汗を吸収しつつ、速乾性も高い優れものになったのです。
また、多くの吸汗速乾インナーは、伸縮性の高い素材を少しだけ混ぜたり、体のラインに合わせた立体裁断を採用したりしています。体にぴったりとフィットして動きやすいため、ポロシャツの下に着込んでもプレーの邪魔になりません。
多くの人にとって、「寒いときは着込む、暑いときは服を脱ぐ」のは当たり前の常識です。ただ、場合によっては半袖のシャツよりも、長袖の吸汗速乾インナーを着た方が涼しく感じることもあります。
ポイントは、「日差し対策」と「気化熱」です。夏場でもポロシャツの下に長袖の吸汗速乾インナーを着用すると、半袖では露出してしまう腕を日差しから守ることができます。木陰に入ると涼しくなるのと同じく、吸汗速乾インナーで直射日光を遮れば、日差しから体を保護できるのです。
また、水分は、蒸発するときに周囲の熱(気化熱)を奪う性質を持っています。「お風呂から上がった後、すぐに体を拭かないと湯冷めしてしまう」といわれるのは、気化熱で体が冷えすぎてしまうからです。吸汗速乾インナーを着ていると、汗をかいてもすぐに乾いて気化熱で体温が下がっていきます。たとえば、吸汗速乾インナーのシャツでも、半袖より長袖の方が、皮膚を覆っている範囲が広い=汗を早く蒸発させられる範囲が広いため、涼しく感じやすいのです。
吸汗速乾インナーは、皮脂汚れが付きやすく、落ちにくいため素材の特長を知って適切なお手入れをしましょう。
吸汗速乾インナーは収縮性に優れている素材を使っているため、洗濯のダメージを防ぐためにも洗濯ネットに入れ、ドライコースなどやさしいコースで洗いましょう。
ほどんどのスポーツアンダーウェアは「陰干し」マークがついていますので、色あせを防ぐためにも直射日光は避けて陰干ししましょう。
ゴルフ好きには何かとつらい夏場の暑さも、吸汗速乾インナーのような便利グッズを使えば少しでも軽減することができます。ゴルフをプレーする際に大切なのは、ゴルフを楽しく、快適にプレーすることです。吸汗速乾インナーは安価な商品も多いので、夏にゴルフをプレーするなら、必要な数だけ用意しておきましょう。