「ゴルフはダイエットに良い」という話を聞いたことはないでしょうか?ゴルフは決して激しいスポーツではありません。しかし、1ラウンドを回るのに5~6時間近くもかかるため、1回始めると長時間運動をすることになります。ですから、トータルで多くのカロリーを消費できる、ダイエットに適したスポーツという側面があるのです。
ダイエットのためにゴルフをする場合、どんな効果が得られるのかご紹介しましょう。
運動や活動を行ったとき、安静にしているときと比べてどれくらいカロリーを消費するのかを表した尺度を「METs(メッツ)」といいます。たとえば、軽い散歩は2.5 METs、自転車に乗るのが4.0 METs、エアロビクスが5.0 METs程度のカロリーを消費する運動です。
ゴルフで体を動かすシーンといえば、スイングの瞬間をイメージする方が多いでしょう。このゴルフのスイングのカロリー消費は3.0 METsとされています。したがって、軽い散歩よりは大きい負荷ですが、自転車に乗るのと比べると効率で劣るといえます。
とはいえ、運動は負荷だけでなく回数や費やす時間も重要です。ゴルフのプレー中、スイングをする回数はそれほど多くないため、スイングをダイエットに活かしたいなら打ちっぱなし練習場に行った方が良いでしょう。打ちっぱなしで300球を打てば、ウォーキングで1万歩歩いたときと同程度のカロリーを消費できるといわれています。ゴルフのスイングは腕だけでなく、腰回りや足の筋肉まで使用する全身運動です。スイングの練習を繰り返せば筋肉が鍛えられて基礎代謝が向上し、脂肪を消費しやすい体を作るのに役立つでしょう。
それでも、ゴルフの運動強度そのものはさほど大きくないため、「ほかのスポーツをした方が効果的なのではないか?」と考える方も多いのではないでしょうか?しかし、ダイエットは即効性だけでなく、楽しんで続けられるかどうかもポイントになります。激しい運動をすれば、一時的には効果が実感できるかもしれませんが、続けていくのが難しかったり、体を動かすのが億劫になってしまったりすることも考えられます。
その点、ゴルフはゆっくり自分のペースで、楽しんで続けられるスポーツです。仲間と一緒にプレーすればストレス解消の効果もあるため、肉体だけでなく精神の健康を保つのにも効果を発揮するでしょう。
実は、ゴルフはスイングによる運動量よりも、ラウンドを回る際の「歩き」の運動量のほうが大きな割合を占めています。先ほど示したように、軽い散歩でも2.5 METs程度の負荷を体に与える効果がありますが、ゴルフではクラブなど重い荷物を抱えて5時間近くもホールを回り続けなければなりません。このときの負荷がダイエットに効果的なのです。
ゴルフを1ラウンド回った場合、スイングと移動の負荷を合わせて1,200キロカロリー(カートを使った場合は600カロリー)を消費するといわれています。もちろん、ランニングや水泳などより負荷の高い運動を行えば、もっと短時間で同じカロリーを消費することもできますが、それでは体に大きな負荷がかかってしまいますし、何より楽しんで続けるのが困難です。
「老若男女、誰でもゆっくり楽しみながらダイエットを続けられる」という点が、ほかの運動にはないゴルフならではの魅力だといえるでしょう。