ゴルフのグローブやウェア、キャップやサングラスなどは、それぞれ人間の身体的特徴やスポーツ科学に基づいた工夫がなされています。そのため自分に合ったアイテムを選ぶことができれば、ゴルフのパフォーマンスを向上させることもできるでしょう。
ここでは特にグローブにスポットを当て、その性質や選び方について解説していきます。
ゴルフでグローブを着用するメリットは、スイング中の遠心力や手汗などによって、クラブが滑ってしまうリスクを軽減できるという点です。ゴルフのクラブは軽量に作られているものが多いですが、それでも先端のヘッド部分に重さが集中している構造のため、スイングをするとかなりの遠心力が生じます。
またゴルフのプレイでは気温や疲労や心理的プレッシャーなどの影響で手の平に汗をかきやすくなります。こうした要因でクラブのグリップ部分が滑りやすくなるので、ゴルフでは滑り止め用のグローブを着用するのが一般的となっています。
クラブをしっかり握って固定できれば、パワーのロスが少なくなり、ヘッドスピードや飛距離などの向上が期待できるでしょう。
なぜ片手にしかグローブを着けないのかというと、その理由は左右の腕の握力差や筋力差です。たいていの方は左腕と右腕の握力や筋力に違いがあり、利き腕のほうが力強いという場合が多い傾向でしょう。
そのためゴルフでは、利き腕とは逆の腕にグローブを着用し、握力や筋力を補助します。滑り止め効果の高いグローブを着用していれば、握り込む力が弱くてもクラブを固定しやすくなるため、左右の腕の握力差や握力差のバランスを整えることが可能となります。
ただし、グローブを両手に着用してはいけないというルールはありません。両手の感覚を同じにしたい場合や、日焼けしたくないという場合などは、両手にグローブを着けるのもいいでしょう。
ゴルフにおいて、クラブを握る指や手の平の感覚はとても重要な要素です。そのためグローブの性能や着け心地は、時にスコアを左右することさえあります。不適切なグローブを着用していた場合、素手の状態よりもクラブを握る感覚が余計にアンバランスになることもあるでしょう。
さらにヘッドスピードが落ちて飛距離が落ちることやスイングが乱れてミスショットを打つ可能性も考えられます。そのためグローブを選ぶ際は、充分な性能を備えたものかどうか見極める必要があるのです。
グローブ選びでまず大事になるのはグリップ力です。ゴルフのグローブに求められるグリップ力とは、「クラブを握ったときにどれくらい安定するか」「どれだけ滑りにくいか」という力のことだとイメージするといいでしょう。グリップ力に関しては、天然皮革で作られたグローブが優れています。握力や筋力に自信がなく、左右の腕のアンバランスを調節したいという方は天然皮革製のグローブが適切です。
それからゴルフのグローブには耐久性も必要となります。グローブはいたむと当然ながら性能が劣化していきます。新品のころは満足のいく使い心地だったものが、使用し続けるうちにだんだんとグリップ力が落ちクラブが滑りやすくなっていくといったケースもありえるでしょう。
高い耐久性を求める場合は合成皮革製のグローブがうってつけです。天然皮革に比べて合成皮革はメンテナンスが楽ですし、耐水性もあるので汗や雨に強いという特徴を持ちます。メーカーによっては水洗いできるタイプも販売されています。
また、合成皮革と天然皮革を合わせて作られたグローブも存在するので、耐久性とグリップ力をバランスよく手に入れたい場合は、そちらのタイプを選択するといいでしょう。
求めるグローブのタイプが決まったら、次は適正なサイズのものを探しましょう。手の形や手の平の厚さ、指の長さなどは人それぞれなので、可能であれば試着して、自分の手に合うかどうか確かめるのが賢明です。試着の際はクラブを握る形を作ってからグローブのテープを止め、着け心地を判断します。
さらにゴルフのグローブは、使っているうちに素材が伸びてくる可能性も考慮しなければいけません。素材が伸びた分のゆるみを調整できるようテープに余裕があるものを選ぶか、素材が伸びることを見越して少しきつめのサイズを選ぶといいでしょう。
利き腕ではないほうの腕をサポートするためにもゴルフのグローブ選びは重要です。天然皮革製か合成皮革製かでグローブの特徴は異なりますが、どちらを選べばいいのか迷うという方は両方試して着け心地を確かめてみるのもいいでしょう。試着ではぴったりだと思えたグローブが実際にボールを打ってみたら感触がよくないということもありえます。
これまでグローブに無頓着だったという方も、これを機に選び方をこだわってみてはいかがでしょうか。優れた性能を持つグローブを着用することでスイングが安定すれば、ゴルフのパフォーマンスが向上しスコアアップにもつながることが期待できます。