ゴルフ場のデザインについて考えたことはありますか?「あのゴルフ場はプレーしやすい」「あのコースは難しい」となんとなく感じていたことは、もしかしたらゴルフ場のデザインによるものなのかもしれません。そこで今回は、ゴルフ場の代表的なデザインやデザイナーをご紹介します。
ゴルフ場の難易度を左右するのが地形です。平坦だとプレーしやすく、初心者も楽しめるコースになりますし、逆に高低差があると難易度がアップして上級者向けになります。日本のゴルフコースは、ゴルフ発祥の英国の影響を強く受け、自然の地形を生かしたものが多く見受けられます。ただ、自然の地形は必ずしもゴルフ場向けとは限らず、実際はよりプレーしやすい(渋滞しづらい、スコアをより高く出せるなど)環境を、デザインしていることが多いようです。たとえば、ハザードを取り除いたり、パーの数を調整したり、といった方法が挙げられます。
自然に近い地形が残っているゴルフ場の良さは、ゴルファーが自然の地形にチャレンジできるということです。芝のラインの読みがあたったり、はずれたり。高いスコアを出すことそのものが目標というよりは、地形との対話を楽しむ余裕のある、成熟したゴルファー向けの楽しみ方といえます。一方、よりプレーしやすく整備されたゴルフ場の場合は、初心者のデビューや、会社のコンペといったさまざまなレベルのプレイヤーが混在するときに最適です。
上田治氏は、山地の多い関西で注目されたゴルフ場の設計者・デザイナーです。山地にゴルフ場を作ることはそのままでは難しい場合もあるのですが、上田氏は本来ゴルフ場に向かなかった土地にゴルフ場を作ることに成功しました。大量の土を使い、フェアウェイよりも一段高い「砲台グリーン」があることが特徴です。上田氏デザインの代表的なゴルフ場のひとつ、玄界灘にほど近い古賀ゴルフ倶楽部(福岡県)は男子プロゴルフ日本オープンが開催されるなど、レベルの高いゴルファー向けの設計が特徴です。一方で、武庫ノ台ゴルフコース(兵庫県)の、丘陵・林間コースは初心者から上級者まで、幅広いレベルの方が楽しめます。アウトコースが松林できっちりと隔てられているのも安心。初心者から上級者まで、プレーの特徴を知っている上田氏だからこそ、様々なゴルファーが楽しめるゴルフ場を設計できたのでしょう。
井上誠一氏は、自然の地形を生かしたゴルフ場の設計が得意です。変化に富んだコースは、難易度が高いことでも有名。自然の地形を残しつつ、洗練されたセンスを感じさせる造形美が特徴で、池を越えるショートホールの美しさ、雄大な風景は、難しいコースであってもまた挑戦したい!と思わせます。中には、ブルドーザーなど重機を使わなずに作ったゴルフコースもあります。設計者の自然へのこだわりが強く感じられるコースが多く、ゴルフの難しさを楽しめるようになったら、ぜひともチャレンジしてほしいコースです。
井上氏の代表的なゴルフ場は桑名カントリー倶楽部(三重県)、愛知カンツリー倶楽部(愛知県)などが挙げられます。
ゴルフ場を選ぶコツ
ゴルフ場を選ぶときは、メンバーのレベル、当日のテーマ(とにかくスコアを出したいのか、難しいコースにチャレンジしたいのか)を考慮して決めましょう。また、そのゴルフ場を誰がデザインしたのかによっても難易度も異なります。あらかじめホームページなどで確認していくことをオススメします。
古賀ゴルフ倶楽部
http://www.kogagc.co.jp/history/index.html
武庫ノ台ゴルフコース
桑名カントリー倶楽部
愛知カンツリー倶楽部